四十肩と自律神経/その自由度の高さが交感神経の誤動作抑制の決め手となる肩甲骨とは

四十肩と自律神経

ひかりあめの暢弘です。
当サイトへのご訪問、感謝します。

古文教師の肩の悩み


今から半世紀前のことです。

当時、高校1年生だった僕のクラス担任は、
古文を教えるM先生でした。

彼は40代後半の小柄な男性でした。

授業はもちろん、
生徒たちとの接し方も厳しく、
まさに、古き良き先生の代表格的存在でした。

そんな彼は、授業が終ると、
黒板に書いた文字をつらそうに消したあと、

右腕を肩の高さで回しながら、
眉間にシワを寄せていたので、

興味を持った僕は、
その仕草の理由を彼に尋ねたのです。

 腕が上がらないのさ。
 四十肩っていうんだ。
 年を重ねると、みんなが罹る病気なんだよ。

彼の説明によると、

前方からは右腕を旋回でき、
それなりの高さまで腕を上げられるのに、

側方からは殆ど上がらないという問題が、
彼にとっての四十肩のようでした。

15歳でピチピチの身体の僕たちには
到底理解不能な症状に、
M先生は日々悩まされていたのです。

加齢とは恐ろしい…という印象が、
若い僕の脳裏に焼きついたことは、
いうまでもありません。

それから40年の月日の流れたある日、

ロボットエンジニアや歌手を経験し、
そして、治療家として落ち着いた僕だったのですが、

乾癬の自己治療を通じて知り得た
エドガー・ケイシィのことばをヒントに、

クラシカル・オステオパシィを学ぶチャンスに恵まれました。

オステオは「骨」を、
そして、パシィは「治療法」や「薬」を意味し、

自律神経を調和させる切り札のひとつとして、
僕は真剣に学び始めていました。

人間の生活習慣は、
骨格の変形をも招きますが、

その結果、慢性化してしまった身体問題を、
この手技は解決してくれます。

M先生の患っていた四十肩は、
まさにその好例です。

日々の姿勢の悪さや運動不足が、
肩甲骨と鎖骨、そして肋骨を癒合させてしまった状態が、

四十肩であり五十肩です。

腕の動きは制限され、
癒合によって神経が過敏になっているため、

生活における様々なシチュエーションで、
痛みや違和感を伴うようになります。

M先生も例外ではありませんでした。

二足歩行を選んだ人類の抱えた矛盾


この地球上には、多種多様な脊椎動物が存在しますが、

人類はその中で唯一、
二足歩行という日常を選択しました。

華奢(きゃしゃ)な頸椎の上に、
重い頭蓋骨をのせて歩き、

重力に逆らって頭部にまで血流を運ぶために、
心臓もパワーアップさせる必要がありました。

四足歩行の動物たちが、
何らかの拍子に後ろ脚だけで立ち上がることもありますが、

それはほんの一瞬で、
僕たちのように立ち続けることはできません。

つまり、多くの脊椎動物にとって困難な、
二足歩行という日常を選んだことで、

人類は効率的な生活を享受できるようになった反面、
セルフケアもしっかりせねばならくなったのです。

ところが、僕たちの身体は、
不十分な運動と不自然な姿勢による
悪循環が習慣化してしまい、

肩甲骨の自由度は奪われ、
肋骨や鎖骨との癒合によって、
上部胸椎や頸椎の緊張が慢性化し、

その結果、交感神経の優位な、
自律神経の不安定な状態が当然になってしまいました。

この本の著者は、現代人の腕が縮こまっていることが、
肩こりや頸こり、自律神経失調症などの原因だとして、

肩をのばすストレッチの数々を提案しています。

いわゆる「肩甲骨はがし」というカテゴリーです。

こうした簡単な体操による
セルフケアも選択肢のひとつですし、

僕が日頃からおすすめしているウォーキングも、
脊椎を弛緩させるだけでなく、
肩甲骨の自由度も高めてくれます。

前述のとおり、四十肩や五十肩は、
肩甲骨が肋骨や鎖骨に癒合することで起こりますので、

肋骨や鎖骨を支えている脊椎が柔軟であれば、
肩甲骨は癒合できなくなります。

前者の肩甲骨はがしのストレッチは、
癒合してしまった肩甲骨を、
直接はがすことが目的であり、

ひかりあめのおすすめするウォーキングは、
癒合させない環境を整えることが目的です。

アプローチする角度はことなりますが、
肩甲骨の自由度を高めて、
自律神経の調和をめざそうとするゴールは同じです。

その自由度の高さはスリムなボディとも関係する


繰り返すようですが、
多くの社会人に運動が足りていない点に加えて、

労働中の着座時間(もしくは同じ姿勢を保つ時間)が長いにも関わらず、
その姿勢に無頓着な点が、

問題を顕わにしています。

そして、筋肉は形状を記憶する組織のため、
背骨を丸めて腹部に脂肪を寄せ集めると、

お腹の周囲の筋肉が、
その状態を保持させるように
形状記憶をはじめます。

ですから、闇雲にダイエットを始める前に、
普段の姿勢を気にするべきであり、

自身の肩甲骨の自由度について、
しっかりと向き合うべきです。

まずは、垂直な壁に背中を押しあてて、
自分の姿勢がどれだけ曲がっているのか、
知ることからはじめてみましょう。

ちなみに、脊椎の柔軟性は、
体幹の柔軟性とは別問題です。

ストレッチやヨガなどで、
体幹の柔らかさを維持していても、
脊椎の弛緩されていない例も少なくなく、

僕のように充分にウォーキングしていても、
柔軟体操では体幹の固さが目立つ例もあります。

この2例を、自律神経の立場でジャッジするのなら、
後者を選ぶべきでしょう。

シンプルに歩くだけですので、
手軽であり、日常化させやすく、
結果として健康的な毎日が送れるからです。


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この記事の書き手

齋藤 暢弘(さいとう のぶひろ)
調和療法のひかりあめ代表。自律神経専門ナチュロパス。国際特許技術を開発したロボットエンジニアだったが、不思議な縁に導かれ沖縄に辿り着く。移住後、自らのパニック障害克服を通じ、自然療法を極めると決意。薬に一切頼らぬ、安全な七つの代替自然療法を融合させた独自の調和療法で、完治と快癒を常に目指す風変わりな治療家。※もっと詳しく

齋藤暢弘

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