ひかりあめの暢弘です。
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古典占星術では、
コンバスチョンという惑星のシチュエーションがあります。
出生のホロスコープにおいて、
太陽の前後8度に入った惑星を、
コンバスチョン(=焼けた)として捉え、
様々な鑑定を進めるのですが、
それは、太陽と近過ぎたあまりに、
惑星が焼かれ(コンバスト)、
非常に力が弱まって、
厳しいディビリティ(衰弱)に陥った状態です。
惑星同士の重なるアスペクト(星位)と異なり、
互いのサイン(星座)が異なっても、コンバスチョンは成立します。
ちなみに、同じ惑星であっても、
土星周期の外の惑星(天王星、海王星、冥王星)では、
この問題は起こりません。
ところで、惑星は焼かれると、どうなるのでしょう。
前述のとおり、
惑星の力は半分以下に弱まってしまいますから、
その惑星の良い面も、悪い面も、人生の中で自覚し難くなるばかりか、
その惑星に支配されているサインやハウスまでもが、
上手く機能しなくなってしまいます。
ですが、焼失したわけではありませんので、
その惑星の課題や周囲への影響は、
衰弱した状態で残り続けます。
例えば、あなたの出生のホロスコープで、
水星が焼かれていたとしましょう。
すると、水星の支配する双子座と乙女座が、
存分に機能しなくなりますので、
その2つのサインが起点となるハウスも機能し難くなり、
そればかりか、双子座と乙女座にある他の惑星も、
リーダーシップを期待していた水星の力が衰弱したため、
自身のディグニティ(惑星としての個の力)を、
発揮し難くなってしまうのです。
少々面倒な状態だということは、
ご理解いただけたと思うのですが、
ここで注意せねばならいことは、
実際の水星が焼かれてしまったのではなく、
あなたの生まれた瞬間の水星が、
その力を存分に発揮できなかっただけであり、
リアルな水星自体は、太陽系で機能し続けている点です。
つまり、出生のホロスコープの
焼けた水星は修復できませんが、
いいかえるなら、
あなたの生れながらの持ち味としての水星力は衰弱していますが、
自身の水星力を異なる形で補強し、
リアルな水星と共鳴させれば、
こうしたコンバスチョンの問題を克服する生き方を選べるのです。
以下は、水星の古典解釈からの抜粋です。
水星は、あらゆるレベルにおける情報を処理することと関連し、コミュニケーション、論理、そして知的能力を支配する。外界を知覚し、判断し、その意味を理解するための能力でもある。さらに水星は、あらゆる物理的意味での繋がりも支配し、そこには旅や様々な形態の移動も含まれ、わたしたちがいかに他者と関係するかだけではなく、自分が自身とどのように関係するかも示す。
原文を一割以下にまで要約してみましたが、
水星に関する捉え方の大枠は
判っていただけますでしょうか。
人生において、この一連の内容を発揮するための、
あなたの生れながらの水星力は、
焼かれたことで衰弱しているけれど、
半分以下になっているその力を、
あなたの意志と行動で補えば良いのです。
例えば、水星という性格上、
学ぶ姿勢と必ず関連しますから、
学習時の集中力の欠如というかたちで、
問題が表れるかもしれませんので、
そのためには、自身の集中を欠きかねない要因を、
あなたの生活から可能な限り排除するのです。
少食にシフトするのも一つの方法でしょう。
また、朝方の生活に切り替えることも有効です。
加えて、軽いウォーキングによる脊椎弛緩を取り入れれば、
自律神経がおのずと調和しますので、
学ぶために必要な集中力は、
自然なかたちで発揮されるはずです。
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出生の惑星たちの波動をそのまま受け容れ、
淡々と生き続けることにも、きっと意味はあります。
ですが前述のように、足りない自身の持ち味を、
意志と行動によって補う工夫を重ね、
現世の人生を輝かせることの方が、
遥かに魅力あふれる生き方になるのではないでしょうか。