爪の反り返った状態をスプーンネイルといいますが、僕の右手の親指と人差し指は、まさにそれ。
一般的には、貧血や栄養失調などが原因とされますが、僕の場合は22歳のとき、ロボットにはさまれた事故がきっかけで、指先に栄養が届かなくなってしまったためです。
自分の開発したソフトウェアの実験中に起こったことでしたので、僕が100パーセント悪いのですが、まさか半世紀近く経った今でも治らないとは思いませんでした。
もちろん程度は軽くなっていますし、自分では気にしなくなっていますが、ギターを弾くときに邪魔なため、頻繁に爪を切る癖がついてしまいました。
その二本の指だけ爪が短いのも変ですので、とにかくいつでも、すべての爪が短めになってしまっています。
そんな習慣を生んだロボット事故が起きたとき、近くにいた他のエンジニアを巻き込まずに済んだことは、まさに不幸中の幸いでした。
彼らにまで40年間もスプーンネイルを引きずらせてしまっていたら、僕はさぞ後悔せねばならなかったでしょう。
事故にせよ何かの症状にせよ、その背景の中に何かしらの救いはあるようです。


