ひかりあめの暢弘です。
当サイトへのご訪問、感謝します。
自然災害の多かった今年の夏は、
風邪をこじらせた方も多かったようです。
風邪というのは不思議なもので、
忙しい人は発症し難いという特徴があります。
風邪をひいている暇がない…などと、
冗談交じりの話題になったりしますが、
これには立派な理由があります。
まず、忙しいと活動量が増えるため、
自ずと代謝が高まり、
それに応えるようにして、体温も高めになり、
その結果、白血球の力が強くなります。
白血球のマクロファージの段階で、
ウイルスが処理される状態がこのときです。
ところが忙しさが一段落し、
ホッと安堵したときに風邪をひきやすくなるのは、
忙しいときと反対の状態が体内で起こり、
ウイルスに対して無防備になってしまうからです。
もちろんこのときに、
免疫力が落ちていることが、
風邪を発症させる大きなキッカケになります。
免疫力が落ちると、
帯状発疹やヘルペスが現れて、
僕たちを驚かせますが、
実は、ウイルスと免疫システムが闘ったあとは、
免疫力は高まるようにできています。
つまり、風邪をひいた後は、
リンパ球が増えて免疫力が高まりますので、
風邪をひいてしまったときは、
しっかりひいた方が良いくらいなのです。
ですから、風邪のひきはじめの数日は、
安易に熱を下げる薬などを飲むべきではなく、
むしろ、熱が逃げないように、
布団をかぶって温かくし、
汗を掻くくらいまで身体を温めることで、
免疫力を回復させることも可能です。
市販の総合感冒薬も、
病院処方の炎症止めも、
これらの消炎鎮痛剤は、
炎症を起こす要因を阻害しますので、
腫れがひいたり、
熱が下がったり、
痛みがとれたりして一時的には楽になるのですが、
傷付いた粘膜を修復するための反応も
阻害してしまいますので、
風邪を長引かせることにもなりかねません。
臨床試験でも薬を飲まなかった人は、
平均2.5日間で治っているのに対し、
薬を飲んだ人は、
5日間から一週間まで延びたという結果もあります。
特に子供の場合、
様々なウイルスと向き合いながら、
大人レベルの免疫力を獲得しますので、
風邪は予防せずに自然体で過ごした方が、
得策なのかもしれません。
免疫力を高めるためには、
生き方の見直しが最優先ですが、
風邪に対しても免疫獲得のチャンスと捉え、
薬で解決しないように心掛けたいものですね。
●
ちなみに、こうした風邪も、
世間を騒がせる新型コロナ感染症も、
ウイルス感染をキッカケに起こる
同じような身体問題と捉える専門家さえ少なくありません。
あの世界的な大パンデミックとなったスペイン風邪にも、
なぜか「風邪」という単語があてられていますが
原語では「The Spanish flu(スペインのインフルエンザ)」であって、
ちっとも風邪ではありません。
一般的な風邪は、季節の変わり目など、
環境の変化に対する身体免疫の再構築であり、
新しい環境に存在するウイルスたちと
正常に向き合うための免疫力を
身体が獲得するための自然な反応であって、
新型コロナ感染症のウイルスは
それらとはまったく異質な存在ですので、
この投稿の理屈は通用しません。
必要な感染対策を施した上で、
自身の免疫力が落ちぬよう努めましょう。