僕は本番で緊張したことが、ほとんどありません。
歳を重ねた最近では、すこし緊張するようになったけれど、若い頃は大舞台を前にしても、心は驚くほど静かでした。
同時通訳の入った国際会議で、自分の考案した制御用言語を発表したときも、楽しいだけでした。
これは、要領がいい…とか、器用にこなせるタイプ…とは違います。
上手く見せよう…と色気を出すから、失敗が怖くなって足がすくむのではないでしょうか。
僕が本番に持ち込むのは、完璧な計算ではなく、積み上げてきたもの全てを出し切るという覚悟です。
上手くやろうとする100点より、不格好でも魂を込めた120点を目指すんです。
涼しい顔をしていても、心の中では誰よりも泥臭い…。
おそらくそれこそが、僕の自己表現の流儀なんです。


