今を去る5年前、当て逃げ事故に遭いました。
背後から軽トラックのサイドミラーに引っ掛けられ、前に転倒した僕は右手で全体重をささえたため、右手首を酷く痛めました。
右手をつかえない仕事や家事の効率がよいわけもなく、普段の3倍近い時間がかかったりしましたが、それだけ丁寧にできたことは幸せでした。
とくに料理に関しては、塩加減をしっかり見極める時間的な余裕があり、塩加減を少しずつ増やし、甘味が一転して塩味に変わる瞬間を楽しめました。
また、傷めた靭帯を修復させるため、アミノ酸強化食の食養生の一環として、発酵豆腐の簡易バージョンを開発できました。
効率の低さと反比例するかのようなこうした喜びは、事故に遭遇した当初には想像もしなかったこと。
何が人生に深みをもたらすかなど、誰にも予測できないものなんですね。



