柿渋

青い未熟な柿を圧搾した果汁を発酵させたもの、
それが柿渋です。

平安時代から使われてきた天然の染料で、
タンニンの発酵臭が独特なのですが、

最近の市販品は殆ど無臭になりました。

わが家における主な用途は、木製カトラリーの補修ですが、
布を染めるのも、なかなか楽しいモノです。

こちらが、僕の愛用する柿渋です。

料理の好きな人間にとって、
食器もまた特別な存在だと思いますが、

特に木製のカトラリーたちが長い時間をかけ、
その家の食卓に馴染む姿は、愛しくさえあります。

なかでも、東南アジアなどで作られる、
ブナやアカシアの木を削り出して作られた品々、

木の幹の中心部の濃い茶色から、
周辺部の白色へと、濃淡のある木柄が、
器ごとに異なる表情を見せてくれたりします。

加工性が良く、衝撃にも強く、
特にアカシアは早成樹(成長の早い樹)としても知られ、
環境に優しい工業製品のひとつです。

削り出しには、かなりの技術が必要らしいですが、

そうした背景を感じさせるぬくらい、
日本の市場では、手頃な価格で出回っています。

その良い例が100円均一ショップで、
そこで売られていたブナ材のデザートスプーンは2本入りでした。

建築材料などの廃材から、削り出した商品なのでしょうが、
僕の愛する木の「温もり」は健在です。

僕の場合、購入したそれらを、そのまま使うコトはまずなく、

東南アジアの職人さんたちの熟練の技で削り出したそれらを、
僕が心を込めて仕上げてから使い始めます。

用意するものは、240番の紙やすり、
拭き取りに使う清潔な布地、そして柿渋と亜麻仁油です。

紙やすりで表面を丁寧に磨き、その上から柿渋を何度も塗り、
最後に食用油で仕上げるのですが、

何と、この工程に、3日間も掛かります(笑)

紙ヤスリで素地を調整したら、刷毛を一定方向に動かして、
柿渋を薄く均一に塗ります。

水性塗料用の刷毛を使います。

用意した清潔な布地は、塗装工程でついた細かい気泡や、
塗りムラを均一にするために、食器全体を拭いてやるためのモノです。

こうして、一度目の着色が終わるのですが、
塗ってもすぐに拭き取りますので、淡く色付く程度です。

ここまで終えたら、刷毛を綺麗に水洗いし、
塗った食器は、日陰に数時間放置します。

数時間後、2度目の塗りを行い、
同じ布地を使って、気泡やムラを拭き取り、
刷毛も再び綺麗に水で洗って乾かし、

また数時間後に、3度目の塗りを行い、
またまた布地で拭き取って、刷毛も洗って、

これを、全部で7~10回繰り返します(笑)

辛抱強く取り組むのではなく、
職人になったつもりで、まったりと向き合いましょう。

そして最後の塗りを終えたら、今度は24時間掛けて自然乾燥させます。

仕上げに、亜麻仁油を食器の表面に薄く塗り込み、
さらに半日乾燥させれば、堂々完成です。

大変、お待たせしました(笑)

こうして出来上がった木製カトラリーは、
世界で二つとない風合いを醸し出してくれます。

木工用の塗料と言えば、ニスやラッカーなどが主流で、

数時間で乾燥してくれますから、
柿渋のような手間とは無縁ですが、

柿渋は、ニスやラッカーとは異なり、
食器に使っても安心な素材ですし、

もちろん、シックハウス症候群の心配も無用です。

そしてそして、この塗りのプロセスを体験すると、
柿渋を塗っている時の無我夢中な自分に、
きっと気付かれるコトでしょう。

たまには、こうして、
家族で使う食器を、自分の手で仕上げるたコトに、
全身全霊を投じてみては如何でしょう。

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