道具も揃ったところで、
早速、糠床を一から作る方法について説明しましょう。
はじめにお断りしておきますが、
僕は純菜食者ですので、動物性の素材は一切使用しません。
玉子の殻や煮干などが、それにあたります。
また、乾癬患者でもありますので、
鷹の爪(唐辛子)も使いません。
ですから、専門家の作り方と少々異なりますが、
ある意味、ヘルシーで、エコロジカルだとお考え下さい。
用意するものは、シンプルです。
まずは、生糠と同じ重量の水です。
同じ容量ではありませんので、ご注意を。
生糠は酸化しやすいので、
糠床作りは、精米スケジュールに合わせましょう。
また、大きめのタオルを1本用意します。
これは発酵をサポートする道具です。
それから、水に対して一割程度の自然塩が必要です。
塩の分量は、用意した水の、
13~15%というところでしょうか。
そして、昆布を用意します。
5センチ程に切ったモノを、数枚用意して下さい。
ちなみに昆布は、糠床の仕込みに必須ではありません。
本漬けが始まってからでも大丈夫です。
最後に、乳酸菌を提供してくれる、
元野菜を準備します。
キャベツの外葉や葉野菜の青い部分です。
大根の葉っぱや、
沖縄ならヨモギの葉なんかもいいです。
これらの野菜を、専門家は「捨て野菜」と言いますが、
僕は「捨てる」という言葉が引っ掛かるので、
※野菜に対して失礼だよね
捨てずにしっかり食べてます。
仕込みに必要なモノは、これだけです。
まずは、味より完璧な発酵を目指しましょう。
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用意した水を沸騰させたら火を止め、
塩を入れて溶かし、一肌まで冷まします。
次に、手を流水でしっかり洗います。
横着してゴム手袋を付けたりすると、
ゴムの匂いが糠に移ってしまいますよ。
ボウルに入れた生糠に、塩水を少しずつ加えて混ぜ、
味噌の固さになるまで繰り返し、
できあがった糠は、
漬け込み専用のタッパーに移します。
次に、元野菜を流水で良く洗って水を切り、
キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
3斤袋に野菜を入れたら、適量の塩で揉み、
タッパーの中の糠に、昆布と一緒に漬け込みます。
野菜が糠からはみ出ないようにし、
糠の表面は、手で押し均して下さい。
前回お話しした通り、乳酸菌は酸素を嫌うので、
しっかり押し均しましょう。
そして、漬け込み容器の表面についた糠クズは、
キッチンペーパーで、綺麗に拭き取って下さい。
以上で、仕込みは完了です。
大きめのタオルで、糠床の入ったタッパーを包み、
冷暗所に保存して下さい。
この時点では、まだ冷蔵庫には入れません。
そして、朝と晩、
忘れずに掻き混ぜて下さい。
●
ここから、沖縄での糠床作りに、
最適化された流れとなります。
糠床は、最終的に冷蔵庫管理をしますが、
そこに至るまでの流れを、しっかり理解して下さい。
この熟成期間中は、毎日2回掻き混ぜて頂きますが、
その際、タッパーのフタを開けた時の香りを、
毎回チェックして下さい。
始めは、糠と野菜の香り以外感じませんが、
何回か目に、酸っぱい香りが伴うようになります。
そうなったら、タオルで包むのは止めて、
冷蔵庫管理に切り替えます。
外気温が高ければ、
このレベルに達する期間が短くなります。
そして、香りをチェックすると同時に、
毎回、糠床を一つまみ味見して下さい。
塩見がボケてきたら、塩を足して調整します。
また、元野菜と昆布は、3~4日で新しく交換します。
取り出したこれらは、糠を流水で洗い流して水気を切り、
必ず味見をして下さい。
熟成の段階では、美味とは言えませんが、
これはこれで、初々しい味が楽しめます。
糠漬けとしては未熟でも、
細かく刻んで、ごま油で炒めて食べると美味しいです。
また、熟成させるまでの間に、
糠床が味噌の固さより緩く、水っぽくなったら、
新しい糠と塩を加えます。
カップ1の糠に対して、小さじ1の天然塩が目安です。
このような作業を地道に繰り返して行くと、
ある日突然、魔法のように、
美味しい糠漬けが出来るようになります。
その日が来ることを信じて、
チャレンジしてみて下さいね。
→明日へ続く