糠漬けバンザイ【第3話】

それでは、糠床を育てる、
もしくは糠漬けを作るために、
必要な道具についてお話ししましょう。

もちろん、これは僕流の道具です。

連載初回でお伝えしたとおり、
亜熱帯の沖縄でも失敗しない、
糠床との共存がテーマです。

1つ目の道具は、3斤袋です。

3斤とはサイズのことですが、
250ミリ×350ミリの大きさで、
厚さ20ミクロン程度のポリエチレン袋です。

スーパーマーケットに行くと、
100枚入りで150円程で販売しています。

精米した際に出る糠を保存しておいたり、
漬け込む野菜を塩もみするのに使います。

主な用途は、後者です。

糠漬けでは、良い塩を用意する必要がありますが、
良い塩は必然的に高価ですので、無駄に使えません。

伝統的なやり方では、
まな板の上で板摺りをしますが、
このやり方は、結構な量の塩が無駄になります。

その気になれば、
3斤袋は、洗って乾かせば何度でも使えます。

2つ目は大きめのタッパーです。

ここに漬け込んで行くのですが、
お勧めは、ジップロックコンテナの
ロング角型-特大2100ml-2個入という商品です。

背が低く冷蔵庫収納に、威力を発揮します。

話しが前後しますが、
特に沖縄で糠漬けを考えている方は、
糠床を常温管理することは諦めて下さい。

僕も挑戦しましたが、
夏よりも、春や秋がやっかいなのです。

夏なら冷房を使いますので、
エアコンの効いた部屋であれば
糠床は正常発酵してくれます。

ところが、春や秋は、中途半端な温度なので、
冷房を使ったり、使わなかったりしてしまいます。

糠床は30度を越すと異常発酵する、と言われていますが、
僕の経験では、23~5度を越すと問題が生じます。

そうかと言って、
暑くも無いのにエアコンを使うのは、
変な話しですよね。

ですから、沖縄県民の場合は、
冷蔵庫による糠床管理を前提としましょう。

もちろん、冷蔵環境では発酵が遅くなりますので、
常温の2倍以上の発酵時間がかかります。

糠床の冷蔵庫管理が優れているのは、
糠をかき回す処理が2~3日に一度になっても、
全く問題がないという点と、

冷温では乳酸菌は育ちますが、
酵母が発酵し難いため、
上品な香りの美味しい糠漬けができる点です。

わが家では、ふたつの大きな糠床を管理していますが、
それぞれ一日おきに掻き回すことで用が足りるのは、
前者の恩恵と言えます。

ただ、冷蔵庫管理にも欠点もあります。

糠を掻き回す際、手が冷たいのです。
ハンパな冷たさではありません。
余りの冷たさに頭痛がするほどです。

そこで必要になるのが、3つめのアイテムです。

3つめの道具は、シャモジです。

可能なら、糠漬け専用のシャモジを用意しましょう。
僕は、糠床が大きいので、
柄の長いシャモジを使っています。

いつか、大きな糠床に育てたいという野望のある方は、
長柄のシャモジをお勧めします。

ちなみにわが家の糠床は、
6リットルと10リットルのホーロー容器を使っていますので、
普通のシャモジでは、掻き混ぜられません。

もちろん、そんな大きな容器は冷蔵庫に入りませんので、
漬物専用の冷蔵庫も準備しています。

びっくりしましたか?

実は、菜食になった際に、
野菜室の大きな冷蔵庫を新調したのですが、

その際、お役御免になるはずだった古い冷蔵庫が、
糠床と発酵系調味料、雑穀などの保存庫となったのです。

そして最後の道具は、キッチンペーパーです。

ティッシュペーパーや布巾ではなく、
キッチンペーパーをお勧めします。

ぬか床との付き合う中で、最大の注意点が、
清潔な手で糠床に触れるということです。

流水でしっかり手を洗い、
キッチンペーパーで水気を取ります。

石鹸は使いません。
糠床に匂いが移るからです。

同様に、水洗いして塩もみする前の野菜も、
キッチンペーパーで水気を取って下さい。

ティッシュでは、細かい紙繊維が
糠床容器や野菜に不着しますし、

ティッシュは香料を使っているため、
その匂いも問題なのです。

リユース可能な布巾も素晴らしいのですが、
雑菌を避けられないため、
特に沖縄ではキッチンペーパーを強くお勧めします。

なぜ、雑菌に対して、神経質になる必要があるのかというと、

糠床は、乳酸菌や酵母の育つ素晴らしい環境ですが、
同時に、手や野菜についたバイキンたちにとっても、
最適な生育環境だからです。

温暖な沖縄では、細菌の種類も数も多く、
品質の良い糠漬けを継続するためには、
ある程度の拘りが必要になります。

もったいないと思われるかもしれませんが、
美味しい糠床を永続させたいのであれば、
キッチンペーパーを使いましょう。

また、糠床をかき混ぜたあとに、
容器の内側に付着したぬかくずも、
キッチンペーパーで綺麗に拭き取って下さいね。

→明後日へ続く