糠漬けバンザイ【第2話】

糠漬けを楽しむためには、
基本となる糠床を作ることになりますが、
この段階はスキップすることも可能です。

糠漬けをしている知人に分けてもらうか、
糠床専門店から取り寄せるという方法があるからです。

ですが、一から漬け込み始めるという、
そんなプロセスを自ら体験することで、

自分の糠床を大切にしたい気持ちが、
しっかり芽生えるのではないでしょうか。

また、糠床を育てるという日々に、
丁寧に寄り添うことで、

微生物たちとの調和も感じられるようになります。

 

糠床を、なぜ掻き混ぜるのか、
そんな素朴な疑問への答えも、
そうした毎日の中で見つけられます。

糠床の微生物は、乳酸菌だけではありません。

酸素を好む微生物は表面で活性化し、
そうでない微生物は、底面で活性化します。

どちらも増えすぎると、糠床としての調和が崩れるため、
掻き混ぜる必要があるのです。

例えば、糠床の管理に失敗するなどして、
糠の底の部分を使って再生した糠床は、

当初は乳酸菌より酵母の風味が強過ぎて、
はっきり言って美味しくありません。

しかし、糠を足したり、
塩を足したりして育てるうちに、
ある日突然、糠漬けらしく美味しくなります。

こうした劇的!とも言える変化までも楽しめるのが、
僕のお勧めする糠漬けのある暮らしです。

話しが糠の再生に逸れましたが、
糠床を一から作る方法は、後日お話しするとして、

今日は、糠床の原材料である糠について、

炒り糠を使うか、
炒らない生糠を使うか、

さらには、糠の調達方法についても、
結論を出したいと思います。

調べて頂ければわかりますが、
糠床にも多様な流儀や考え方が存在します。

もちろん、地域性もあるでしょう。

しかし、こういったモノに、
もちろん、王道はあるのかもしれませんが、
それが、正道とは限りません。

元々、家庭の味なのですから、
家事責任者が決めれば良いことです。

また、糠床を誰かから譲り受けた場合、
使いながら足す糠について、
炒るべきか否か悩む人も結構多いようですが、

仮に、最初の糠床が炒り糠を使っているからといって、
後々足す糠も炒らねばならないということはありません。

ブレンドしても良いのです。

ちなみにわが家は、糠を炒らない生糠派です。

僕の母親からの伝承作法であると同時に、
発酵させようとする糠を、炒って過熱してしまっては、
自然な発酵を阻害するだけだからです。

確かに炒り糠は、香ばしい風味が出ますが、

糠自体の酵母や乳酸菌が熱で失われると、
漬け込む野菜の持つ酵母や乳酸菌だけが頼りになるため、
発酵力が存分に発揮されません。

また、玄米の残留農薬や、虫の卵を気にする方は、
炒る流儀を選ぶようですが、
これも、炒り糠派すべての論理ではないようです。

また、特に農薬の問題が気になる方は、
お米屋さんから糠を分けてもらう方法は
断念せざるを得ないでしょう。

ご自身で納得の行く銘柄の玄米を、
取り寄せて自家精米する方法が、
そういう意味でも最良の選択と言えます。

糠に関する基本的方針が決まったら、
糠床作りに必要な量の糠を準備するまでに、

簡単な糠漬けを実現するための道具を揃えます。
僕流では、4つの道具が必要です。

→明日へ続く