柿渋で木製食器を染める

ひかりあめのゆうすけです。
当ブログへのご訪問、有難うございます。

先週のメルマガでお伝えした話題ですが、
ブログ読者の皆さんにも、
お届けするコトにいたしました。

料理の好きな僕にとって、
食器も、また特別な存在です。

ご存知の通り、食器の素材も色々あって、

沖縄の地元の焼き物、特に関谷秀男さんの作品は、
僕的には大のお気に入りなのですが、

そうした、完成された食器ではなく、
自分で仕上げるコトのできる木製食器も、

一緒に成長できる生活雑貨として、
僕にとっては、無くてはならぬモノです。

木製食器と言えば、
日本人なら漆器を思い浮かべますが、
一個人が漆塗りに手を出せるワケはありません。

今日の話題として取り上げるのは、
東南アジアなどで作られる、
ブナやアカシアの木を削り出して作られた器です。

幹の中央部の濃い茶色から、
周辺部の白色へと、濃淡ある木柄が、

器ごとに異なる表情を、
見せてくれるところが大好きです。

加工性、耐衝撃に優れ、
特にアカシアは、成長の速い早成樹であり、

環境に優しい工業製品のひとつとして、
広く知られる存在になっています。

それらの木材を食器にするための削り出しには、
相当な技術が必要とされるそうですが、

そうした背景を、感じさせぬくらい、
日本市場では手頃な価格で出回っています。

良い例が、100円均一ショップで、
つい先日も、ブナ材の木製デザートスプーンを、
2本入りで100円で入手しました。

原価の安い間伐材や建築廃材などから、
削り出された商品なのでしょうが、

僕の愛する、木の「温もり」は健在です。

そして、購入したそれらを、
そのまま使わないのが、僕流でもあります。

東南アジアの職人さんたちが、
匠の技で削り出した食器たちを、

僕が、魂を込めて仕上げるワケです。

240番の紙やすり、拭き取りに使う清潔な布地、
そして、柿渋塗料と亜麻仁油を用意し、

全工程に3日間という、気の長い作業を楽しむのです(笑)

今回、購入した柿渋は、こちらでした。

価格も手頃で、相当な回数の塗りが出来ます。

この天然塗料の柿渋は、

名前のとおり、渋柿から絞り出された、
柿タンニンを主成分とした液体を発酵させたモノですが、

日本の伝統的な柿渋は、発酵臭が強烈で、
家庭で気軽に使うには、相当の勇気が必要です。

最近では濾過精製技術が進んだおかげで、
酢酸系の揮発性有機物を除去した、

無臭で、タンニン成分の濃い柿渋液が主流となりました。

そんな柿渋ですが、
例えば、布生地を染めるのであれば、
前処理さえ良ければ、一日も掛かりません。

ですが、木製食器への塗装となると、
前述の通り、時間も手間も掛かる大仕事になります。

食器の表面を、240番の紙ヤスリで丁寧に磨き、
素地を綺麗に調整したら、

刷毛を木目に沿って一定方向に動かし、
柿渋を薄く塗って行きます。
※水性塗料用の刷毛を使います

清潔な布地を用意して、

塗装の工程で、表面に付着した細かい気泡や、
塗りムラを均一にするため、
食器全体を拭いてやります。

こうして、一度目の着色が終わるのですが、
塗っても拭き取りますので、淡く色付く程度です。

ここまで終えたら、刷毛を綺麗に水洗いし、
塗った食器は、日陰に数時間放置します。

数時間後、二度目の塗り工程を行い、
一度目に使った布地を使って、気泡やムラを拭き取り、
当然、刷毛も綺麗に水で洗って…、

また数時間後に、三度目の塗り工程を行い、
またまた布地で拭き取って、刷毛も洗って…、

これを、5回以上繰り返します(笑)

辛抱強く取り組むのではなく、
職人になったつもりで、まったり!と向き合います。

そして最後の塗りを終えたら、24時間掛けて自然乾燥させ、
仕上げに、亜麻仁油を食器表面に薄く塗り込んで、

さらに半日乾燥させれば、
やっと、食器として使えるようになります。

こうして出来上がった木製の食器は、
世界で二つとない風合いを醸し出してくれますので、

その上に載せる料理にも、
ついつい力が入ってしまうワケです(笑)

たまには、こうして、

家族で使う食器たちを、ご自身の手で仕上げるコトに、
全身全霊を投じてみるのは、如何でしょうか。