口は災いの元

僕の父は、優しい人でしたが、
とにかく気が短いため、

誰かに何かを伝えようとする度に、
それが上手く行かず、

その結果、伝えたい相手に対して、

父の言葉を聴き手が受け容れないと早合点し、
ついには、相手を批判し始めたのでした。

そんな父の様子を、
小さな頃から頻繁に観ていた僕は、

誰かに何かを伝えるコトの難しさを、
痛感せざるを得ませんでした。

辿り着いた結論として、
自分が携えている意志や思惑を、

表現という形で、
誰かに「完全」に伝えることは、
不可能だと知りました。

もちろん、伝えようとする本人は、
伝えるつもりでアウトプットしますし、

聴く側も、聴くつもりで、
インプットしようとするでしょう。

ところが、伝えようとするモノは、
基本的に主観的な見解ですから、

仮に伝える側の言語力が完璧であっても、
対象を100%表現することなど出来ません。

例えばあなたが、宇宙人に出会ったとします。

そして、その姿を、
鮮明に、目に焼き付けたとしましょう。

興奮状態のままでは、
間違いを生みやすいですので、
冷静になってから、
その姿を誰かに伝えるとします。

ところが、あなたの捉えた宇宙人のイメージとは
違うモノが誰かに伝わってしまいます。

主観は、数値化できませんので、
科学的評価は難しいですが、

どんなに上手く伝えられたとしても、
それは全情報の50%前後が限界と言われています。
(※科学的に立証されています)

つまり、言語力の完璧な状態で、
適切な単語を駆使したメッセージであっても、

あなたの伝えたい情報は、
その半分しか相手には届きません。

しかも、それは、
最良の手段を講じた伝達が、
成立した場合の話しです。

ビジュアルな情報を併用して、
正しい言葉で説明した場合の、
最良の伝達結果が50%前後なのです。

それだけ、僕たちは、
情報化できない曖昧な部分を、
主観の中に育んでいるのです。

こうした現実を知る人は少ないため、
多くの人が口だけで、
相手を説得しようとします。

しかし、人間が情報を得ようとする場合、
視覚情報が8割を締めます。

つまり、言葉だけとなる、
聴覚情報だけによる説明では、

せいぜい、その2割しか相手に届きません。

最善を尽くしても、
主観情報の5割(0.5)しか第三者には届かないのに対し

それを言葉だけで説明しようモノなら、
その中の、さらに2割(0.2)しか伝わらないのです。

つまり、完璧な言語能力を持つ場合でさえ、
あなたの主観全体のたった1割(0.5 × 0.2 = 0.1)しか、
言葉だけでは、相手に伝わらないのです。

昔から「口は災いの元」と言われます。

実際、口論から大喧嘩に発展するコトは
珍しくありません。

 誰も自分のコトを解ってくれない…。

そう、嘆く人は多いモノです。

でも、この事実を知れば、
自分の抱える主観を

誰かに届けるコトの大変さが理解できるはずです。

つまり、誰かに、
自分を理解してもらう必要なんてないんです。

そんなコトより、

あなたの思い描く通りに、
判断し、そして行動すべきであり、

その結果を、
現世に遺せばイイだけなのです。

これは、親の子供に対する、
干渉についても言えます。

子供にとって良かれと思って言ったコトでも、
あなたの助言は、わが子には届きません。

まして、感情的なフィルタが双方に加われば、
全体の1割どころか、
その半分を伝えるコトさえ怪しいでしょう。

例え、わが子が首を縦に振ったとしても、
それは、あなたの主観を、
理解したサインでは絶対にないのです。

自分を信じ、思い通りに生きるコト、
そして、誰も干渉しないコト、

この2つこそが、
コミュニケーションという道具を持つ、

神の創造した人間に課せられた
基本ルールなのではないでしょうか。

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遺伝とは種

結論から言うなら、
遺伝は恐れるに足りません。

自分の家系に頻発する、
特徴的な病気や症状を、

遺伝ととらえて諦める人々を
僕は何度と無く診て来ました。

薄毛や多汗にはじまり、
糖尿病や脳卒中、果てはガンまで、

遺伝だから仕方がないと
罹病した人だけでなく、

医師までもが、
そんな運命論的な結論を提示します。

確かに遺伝的要素は
あるかもしれませんが、
この解釈は大筋から間違っています。

もっとも判りやすく例えてみましょう。
遺伝とは種でしかありません

千年以上前の種が、
遺跡等から出土することは、
珍しくありませんが、

そういった太古の種も、
土の中で滋養と太陽光に恵まれると、

歴史を越えて、しっかり発芽します。

種は、種だけでは、
何も起こりませんが、

土と滋養と陽光を授かると、
植物として発芽するのです。

遺伝も同じように、家族や家系の中で、
文字通り、伝え遺されますが、

例えば脳卒中を引き起こす遺伝子が継承されても、
その遺伝子を育む環境がなければ、

あなたという身体で、
発芽することはありません。

つまり、種は遺伝子であり、
土は身体、滋養は食、陽光は生活環境なのです。

いくら種である遺伝子が、
あなたの身体に伝え遺されたとしても、

あなたの食生活と生活環境が
遺伝子の発芽条件に合致しなければ、

病気も、症状も、
決して現れることはありません。

つまり家族や家系は、
同じモノを食べ、同じ場所に住むため、

遺伝子の発芽しやすい条件が、
揃ってしまうだけのことなのです。

人間にとって相応しい食事を摂り、
人間らしい生活環境を手に入れれば、

いかなる悪性の遺伝子も発芽することは出来ず、

そればかりか、
その家族や家系に伝わる、
良い面が継承されることになるでしょう。

どうせなら、良い遺伝子を、
しっかりと発芽させようではありせんか。

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