今を去る47年前、コンピュータの世界で歴史的な事件が起こりました。
それは、16ビットプロセッサ8086の誕生であり、このCPUはオフィスや家庭に実用的なパソコンを普及させる原動力となりました。
僕の大学卒業はその2年後で、まさにそのとき浮動小数点演算を得意とする8087が日本上陸を果たし、パソコンの演算速度は一挙に5倍にまで高まりました。
社会人一年生だった僕は、8087のエージング試験を担当し、何日も徹夜を繰り返して性能評価をおこないました。
性能評価試験室にあるCPU関係の英語ドキュメントを、片っ端から読み漁る時間もたっぷりあり、ほんの10日間ほどでしたが、多くの知識を吸収できました。
エージング試験の結果は完璧に8087の勝利で、そのチップの耐久性は当時21歳の若々しい僕より圧倒的に高く、徹夜明けの朦朧(もうろう)とした意識の中で、素晴らしい未来への予感に心を震わせました。
この技術がどんな世界をつくるのだろうと、妄想は限りなく膨らんだのです。
テクノロジーの進化とは、道具の進化です。
よい道具をつかいこなせる、よい人間でありたいですね😊


