糠床の天地返し

ひかりあめのゆうすけです。
当ブログへのご訪問、有難うございます。

糠漬けを作る上で、糠床の管理は大切です。

こちらの公式ブログや、
日々の食事療法の指導の中で、

 ・糠床の天地返しって、何のためにするのですか?

…だとか、

 ・具体的に、どうやるのですか?

…のような質問が、あまりにも多かったので、
今日は、その説明をいたします。

糠床の天地返し

上の写真は、
昨日の天地返しの模様を、撮影したモノです。

わが家の糠床は、冷蔵庫管理で発酵も遅いため、
寒いこの季節は、2~3日に一度の天地返しが基本です。

写真の上部に写っているのが、ホーロー製の漬物樽で、
直径30センチの、かなり大型の容器です。

その糠床の中には、
天地返し専用の杓文字(しゃもじ)が見えます。

そして、写真の下部に写っているのは、
極普通の中華鍋ですが、

天地返しをする際、中に漬かっている野菜たちを、
一時的に退避させるために利用しています。

昨年の夏に仕込んだ胡瓜が大半ですが、
先日、漬け込んだばかりの蕪(かぶ)や、
水分調整用に仕込んだ干瓢(かんぴょう)も写ってます。

このようにして、
糠床の中の野菜を全て糠から取り出し、
糠床の糠を、専用の杓文字で丁寧に天地返しをします。

専用の杓文字を使う理由は、
糠床の乳酸菌を守るためです。

そして、表題となる天地返しの目的ですが、
糠床内の乳酸菌や酵母の分布を、
全体に均一化させるためなのですが、

菌や酵母は、酸素を好きな種と、そうでない種があり、
糠を掻き混ぜることで、それらが万遍無く分布し、

これによって、

好気性の菌や酵母と、嫌気性の菌や酵母が、
どちらか一方が優位にならぬよう、
調整するコトが可能になります。

天地返しを終えた糠床

そして、上の写真が、
天地返しを終えた糠床です。

天地を返した糠床の中に、野菜たちを戻し、
糠の表面を手で抑え、キッチンペーパーで整えます。
※ティッシュペーパーは、香料を含むため使えません

糠漬けのコマーシャルなどで、

糠床をザックリ掻き混ぜて、
漬かっている野菜が、
糠の表面から露出している写真を見掛けますが、

あれは、常温管理の糠床で、
しかも、一日に数回天地返しをする場合の糠床です。

あの遣り方は、空気と触れる部分が多いため、
発酵が促進されて、漬物が早く出来上がりますが、

前述のように、一日に何回も天地返しをせねばなりません。

また、亜熱帯の沖縄では、
常温管理するコト自体に無理があり、

僕がやっているように、
糠床の表面を手で綺麗に抑えて均し、
さらにキッチンペーパーで整え、
それを冷蔵庫内で管理すれば、

発酵速度は遅いですが、
管理は楽で、しかも塩分濃度の優しい漬物になります。

最初の写真にあった胡瓜の中には、
そろそろ一年になるモノもあって、

ですが、発酵速度が遅いために、
脱水も程々で、瑞々しさは残り、
糠の旨味も充分に反映された漬物になります。

何でもそうですが、漬物に限らず、
急いで作っても、美味しいモノは出来ないのです。