ひかりあめのゆうすけです。
当ブログへのご訪問、有難うございます。
昨日までの3日間で、
リンパやリンパ系に関する
基礎的な部分を整理いたしましたが、
これらの情報を踏まえて頂くと、今日のお話しが、
リンパのケアを必要とする貴方に、深い意味を持ちます。
連載初日にご案内したとおり、
参考文献は、こちら(↓)です。
著者の大橋俊夫氏は、この方(↓)です。
マッサージもストレッチもしない赤ちゃんのリンパが、
いつも順調に流れているのは何故なのか…。
この単純な疑問が、彼の研究に火を点けたのです。
この謎を解明すべく、
彼の在籍する信州大学の学生たち、
また、彼が開いている夜間大学の聴講生を被験者とした、
大実験が行われました。
リンパ・マッサージは、その部位によって結果は異なるのか?
…のような、一般的発想の実験に始まり、
最終的には、
リンパ・マッサージは、果たして必要なのか?
…的な、逆転の発想的な実験まで、色々と行ったのです。
その結果、
①仰向けに寝ているだけで、リンパは流れる
②そこに腹式呼吸を取り入れると、効果が絶大である
…という結論を、実験によって証明しました。
赤ちゃんは、好き勝手に手足を動かしているけれど、
基本的に彼らは、一日の大部分は寝ているだけです。
それなのに彼らのリンパは、スムーズに流れ、
身体は瑞々しく、浮腫むこともありません。
つまり赤ちゃんは、上記の結論となった2点を、
誰に教わるでもなく、日々の習慣としていたワケです。
人間の身体は、約2リットルのリンパ液のうち、
その80%は、足と腹部に存在していますが、
そのプール的な存在となるモノが、
連載2日目にご紹介した、身体の中央の乳ビ槽です。
左側リンパ系の担当する下肢のリンパ管は、
足の付け根となる鼠蹊部に一旦集まり、
この鼠蹊部のリンパと、骨盤からのリンパが集まって、
腰リンパ本幹となって、
ここに、腸からのリンパを集めた、
腸リンパ本幹が、乳ビ槽で合流すると説明いたしました。
ここで、大きなポイントとなるのは、
この乳ビ槽が、胸部と腹部を隔てる場所、
いわゆる横隔膜の直下にあるという点、
そして、この袋状の器官である乳ビ槽は、
まるで風船のように伸縮するため、
血液のポンプが心臓であるが如く、
リンパのポンプ役を乳ビ槽が担えそうだと言う点です。
ですが、残念なコトに、
乳ビ槽の伸縮性は、仰向けに寝た姿勢でのみ、その役割を果たし、
立ったり、座ったりする姿勢では、
重力の影響を受け、上手く機能できないのです。
そして、お腹を膨らませて呼吸をする、腹式呼吸は、
その横隔膜の動きによって、乳ビ槽が刺激され、
ポンプ機能がさらに高まるコトが判ったのです。
ですから、せっかく休憩を取るのであれば、
クッションや車のシートでリラックスするのではなく、
仰向けになって横になれる場所で休むようにし、
そこに、腹式呼吸による深呼吸を加えれば、
浮腫み解消に留まらず、
身体の各組織の再生も加速する!と言うワケです。
大橋氏によれば、このリラックス法を、
30分間続けるコトを勧めていますが、
こうした背景が、理屈として成立する以上、
10分でも、20分でも、例え5分でも、
遣らないより遣った方が、遥かにマシでしょう。
足が浮腫んだときは、リンパが滞っているサイン、
身体がだるいときは、全身を休める必要性を促しているサイン、
人体の自然な反応には、無駄はないのです。
そうした反応を傾聴し、積極的に応えて参りましょう。